魑魅魍魎の菊
「………晩ご飯、抜き」
俗に言うツンデレなのか、褒めると頬を染めてそっぽを向くのが可愛くて抱き抱える。何なんだこの可愛い生き物は。
俺を自滅させる気かよ。
「それは…困るな。俺、美鈴の料理好きだから」
「っ——!!??」
一気に顔が近くになり、あまりの可愛さに頬にキスを落とせば固まる美鈴をぎゅっと抱きしめる、が。
「「「「…………」」」」
あまりにも辛辣な視線が俺の体に突き刺さるのはスルーしたい。あれはスキンシップだ。俺は悪くない。こんなに可愛い美鈴がいけないんだ。
「美鈴ちゃん、この馬鹿が嫌になったら俺の所に来い。
——忘れさせない夜にしてやるよ」
妖艶に笑う正影に龍星の雷が落ちたのは言うまでもない。
「ハハッ…。美鈴、俺の相手もしろよ?そこの餓鬼共よりお前を大人にしてやる…」
「テメェ——…いつかぶっ殺すぞ」
スザクの言葉に龍星の頭の血管が何本か切れたらしい。何なんだよコイツらは!!そして、頬を赤らめるな美鈴!俺はあんな男は認めない!
「美鈴ちゃん、もし萩原くんが嫌な事しでかしたら僕の家においで?いっぱいお菓子あげるよ」
「井上ぇぇえええ!!!お前もか!」
「冗談だってば」
クスリと笑う井上に頭痛がした龍星。