魑魅魍魎の菊
『"大槻"も
——怨霊"だった"んだ』
どうして過去?それとも神様になったら「怨霊」じゃなくなったのかしたら。
そんな当然の疑問を抱いた。
ママから聞いたけれど、あそこは「厄払い」で有名な神社だって。それに、そんな近くに怨霊が神様になっちゃった神社があるとわ…。
『大槻は愛した"人"と引き換えに神になったんだ』
それは一体どんな、悲しみと苦しみと快楽なのか。
首を締め付けるほどの?
その時の菊花の瞳は狂気に満ちていただなんて、麗しい少女は気がつかなかった。
(あぁ、悪を滅ぼす礎となろう)
そう願ったのは、いつからだろう。
そんなことをしてしまえば、自分は用無しのお払い箱。
それだけは避けなくてはならない。
「強迫観念」に囚われても、きっと私は——…
瞬いた時に、いざ煌めきを。