魑魅魍魎の菊
般若と狐
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竹林のざわめきが耳に木霊する。
瞼の裏には、ぼんやりと光る蛍の光だ。
この季節になると、虫は求愛行動に走るから面白いものだね。
「…私はかつて"大罪"を犯したんだよ」
静かに語られる"過去"。
御堂は水を打ったように静まり返る。私は助けられたんだ。
だから、この神の地位は最後の砦。
蓬莱から聞いた事があったんだ。"とある機関"は隠密に大罪を犯したものやこれから犯すモノを滅するというのを。
平面上は平和に過ごしていても、私の過去は掻き消せれない。いつかは滅されるだろうと覚悟をしていたが…
「足掻いたら、見苦しいだろう」
襖のからは蝶の影が見えるよ。大槻は声にならない笑みを零すと、目の前に坐っていた《玖珂の若頭》がいつ取り出したのかわからない刀を抜刀し。
私に突きつけた。
「玖珂の若頭!御主、誰に歯向かおうとしているんだ!!」
「お、おい玖珂!!」
「玖珂君、落ち着いて!早まっちゃダメだ!」
「——テメェ、馬鹿か」
「何の事かさっぱり」