魑魅魍魎の菊
「——そんなに消されたいなら、私が…
(——ザッシュッゥゥウゥウ!!!!)
——消してあげますけど?」
「うがぁああああたあぁああ——!!!」
狐の面をした女が、青い蝶のような神を刺した。
右肩から生温かい血が吹き出すのだ。その声は潰された蛙のように無惨で、惨めだった。
「大槻様ぁぁあああ!!!」
神主のような格好をした神の使いを「女」は蹴り上げ、龍星の元まで吹っ飛ばす。ゆらりとする黒髪が何処か妖艶。
「…ほ、…う…らぃ——」
「良かったーちゃんと意識があって!大槻さんを最後までじわじわ拷問出来ないじゃん?」
「この下衆女ぁぁあああ!!!」
心の底から叫んでいる正影に、怒りのオーラが体に突き刺さる。
「……それで私に勝ったつもり?」
菊花は玖珂家の物の怪に囲まれていた。
私は白夜さえも超えて行くのだ。そのような幼稚じゃ、
「——失望したぞ、菊花」
「あら、スザクさんじゃないですか?」