魑魅魍魎の菊
「この陰陽師オタク…。少しはその時間を数学に捧げてみろ、赤点を免れるかもしれないぞ」
「い、嫌っ…。正ちゃんの意地悪、あたしに死ねって言うの?!」
「おうおう死んで見ろ。そしたら愛しの安倍晴明様に会えるかもしれねぇな」
「そっか!」
俺は思わずガシッと由衣の頭を掴みながら、鼻を掴んでやった。
「お前は馬鹿か?冗談に決まってるだろ」
「い、いひゃいよ!ひゃにゃして!(い、痛いよ!放して!)」
あまりにもイタイ幼なじみを持った俺は頭痛に悩まされながら寝る体勢に入った。
「ちょ、ちょっと正ちゃん?!何寝る体勢に入っているのよ、寝るなんて許さない!晴明様のお話を聞ける素晴らしいチャンスなのに!」
「眠いから寝る」
安倍晴明が格好良いのは、天賦の才能とカリスマ性を持っていたからだバーカ。
俺はそんなことを考えながら、夢の中に落ちた。