魑魅魍魎の菊
青い閃光
「——舐めるな」
正影の目の前には大勢の妖怪の倒れた姿が——
「——俺は次代の玖珂家の当主だ」
菊花が率いる百鬼夜行の妖怪である烏天狗は錫杖を支えにしながら立とうとするが、正影の威圧感によってそれは阻まれる。
(何なんだ——さっきまで私に押されていたはずだっ——!)
しかも、奴の背後には黄金の毛皮を持つ大妖怪の千影が居る。何だこの絶大である妖気は…。
「……テメェ等、俺のテリトリーで好き勝手やったことを後悔してやるぞ」
その言葉が放たれた瞬間、真っ赤な着物を羽織った付喪神が玖珂の若頭に近づいて——
「——正影、あの魑魅魍魎の主とやらを鏡子が見つけたそうじゃ」
終 わ っ た
(——鴉丸よ、お前は菊花に服従すると決めたならば)
(——それ相応のことをしてみよ)
体が震えるせいか錫杖がしゃらんしゃらんと鳴ったような気がしたのだ。他の奴らは無事であろうか——