魑魅魍魎の菊
見つからない魂
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「あ、あの……私Mの素質とか無いんで勘弁してもらえますか?」
「馬鹿かテメェ。飛んで火にいる夏の虫だっつうの」
現在は私は何故か玖珂家のお墓に正座させられている。ていうかマジで術を解いてくれないであろか。
「あ"ぁ?」
「玖珂君、未だかつてないほど怖い顔してるよ…」
どうやらこのお墓には私と玖珂君しかいないようで他の霊の方々については考えないことにした。
「……テメェ、今どういう状況なのかわかっているのかよ」
「わかってるわよ。玖珂君の支配欲が強いのはよく解ったから」
「んなわけねぇだろうぅぅぅ??!!」
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「……どうして生きてるか、って話かしら?」
「素直に最初から言えや地味」
「マジで人権侵害と女性蔑視で訴えてやるから!!」
玖珂君は相変わらず怖い顔をしながら誰かの墓の前であぐらをかいた。……情に絆されているのか拷問みたいな方法は採らないのね。
「はあ……こういうのってさ、玖珂の御当主様に話すべきなんじゃないのかな」
「後で親父の前でも洗いざらい喋ってもらうぞ。だがまずは……大槻の件だ。お前はマジで何をしたかったんだ」
正影は瞳を閉じそうになった。だが、このままではいけないのだ。何も進まないというのが。
実際に神狩りにあった神共はあの一件以来、何故か復活していたという気味の悪い事態になっていた。
正確な調査をしようと思えば親父に全力で止められ「…終わりよければ全てよしだよ」と苦しそうに言った。
(……親父は何かを知っている。だから、親父と話す前に俺にカタを付けさせて欲しい)