魑魅魍魎の菊
「えぇぇえええええ??!!れ、麗子しゃまじゃないのれすか?!」
「その馬鹿っぽい喋り方止めろ癪に触る」
「そんなバッサリ言うことないでしょう?」
狐さんは私達ぐらいの年代に擬人化していた。あろうことか玖珂君を麗子さんに間違えるとかむしろ神じゃねぇ?まだ春菜さんなら解る気がするけれど…。
(でもまあ…玖珂君の唯我独尊具合は確実に麗子さんから受け継がれているといっても過言ではない)
妙に納得している私は未だ拘束されたまま。
「だだだって…麗子しゃまと瓜二つ、」
「俺は玖珂正影、玖珂麗子の息子だ」
「麗子しゃま、既婚者だったのれすかぁぁぁ??!!」
「そこかよっ!!!」
「まあまあ…玖珂君も落ち付けって」
(……ブチッ)
「……元はと言えば貴様のせいだごらぁぁぁあああ!!お前が神狩りだなんて面倒臭いことさしなければ!!」
「んな怒らないでよ。カルシウム、カルシウム」
あまりにも鬼のようなお顔をする玖珂君を見れられません。そうすると、狐君が不思議そうな顔をして私の顔を見ます。正直妖怪達の顔って美形だから嫌なんですけれど……。
「えっと……そちらの地味な方は?」
「シバクゾゴラァァアアア!!!!」
拘束され、力も何も出せない私に正直迫力なんてないが…。
「おーおーカルシウムだぞ、菊花」
「うっさいわね!!これでも私は一応"魑魅魍魎の主"なのよ?!解ったそこの狐さん!!」
「……魑魅、魍魎…?」