魑魅魍魎の菊
降り注ぐ太陽にひとつの秘密を明かすときが来たのかもしれない。
菊花は正影に引きずられる形で連行されていた。連行というよりかは、強制送還のようである。
彼の背中には、疑心と戸惑いしか伺えない。それもそうだろう、彼女は「魑魅魍魎の主」であるから――。
「……てめぇ、マジで何なんだよ」
「何その中学生みたいな質問。玖珂君、中二病から抜け出せてないわけ?」
「マジで潰すぞ、このクソアマ!!!!」
「ちょぉぉぉぉとおおお!!術を強めないで、痛いってば!!痛!!」
何もそんなに真剣にならなくたって良いじゃん!!
そして、何故か……とある墓にまでつれて来られた。
「……高村菊花。貴様、大槻と美鈴ちゃんをどうしたんだ」
「質問増えてなーい?」
「増やすも減らすも俺次第だ馬鹿め。今の主導権は完全に俺だ。俺の質問には答えてもらうぞ」
「そうやってー。私が答えた試しあったっけ?記憶無いけど」
「綾崎先輩の時の幻術だ」
「やばいっ!!墓穴掘ったぁぁああ!!」
正影は息を吐き、この世の疲れを感じていた。
もう面倒は嫌だ。
「……なぜ、神狩りされた神が"復活"したんだ」
半ば賭けに出るしかなかった。