魑魅魍魎の菊
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正影は神影と鏡子を引き連れて、千影と呼ばれる妖怪の元へ行ったのだ。
歩いていく内に綺麗な我が家が段々おぞましい姿に変貌することにショックと怒りを抱く正影はどんな制裁を与えようかと考える。
そして、現場に到着すれば怒り狂っている巨大な狐のような妖怪が唸っていたのだ。
「正影ェェ——!!お春が、お春が——!!」
「野太い声で叫ぶな喚くな!!春姉はバイトだっつうの!」
千影は黄金の毛を纏い、翡翠色をした魅惑的な瞳を持っている美しい妖怪だ。
だが、その中身は——
「鏡子から聞いたが、何が"大変"なんだ?もし春姉のことだったら、ここがおめーの墓場だ」
「若!乱暴はいけません!」
「おやおや、これだから血の気の多い男は嫌じゃのう」
「そこの外野黙れ!」
鬱陶しいガヤを一蹴したところで、涙目で怒っているこの妖怪をどうしたものか。
(本当にコイツは他の妖怪に恐れられているのか?)
「最近、巷を騒がしている《百鬼夜行の頭》を見つけた」
百鬼夜行、だと——?
一瞬にして、神影や鏡子の顔も真剣そのものになる。
ただの百鬼夜行なら俺だってこんなに反応はしないし、"大変"なんてことはない。