魑魅魍魎の菊
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《魑魅魍魎の主》
私は山の怪と川の怪を統括する者だ。
…数々の妖怪が居り、山の妖怪・烏天狗など天狗の類いが多い。因みに烏天狗は剣術に秀ているため、かの昔に牛若丸こと源義経に剣術を教えたのも言われている。
そういう私も鴉丸に剣術を習っていたのだ。——いやぁ、スパルタで恐かった日々が鮮明に浮かぶぜジョンソン。
その他に蛇の怪なども多い…。蛇は昔から嫌いだったのに今は愛嬌すら感じさせるぐらいになってしまった。
河童や川に棲む妖怪も居る。何より私の"陰"の力に惹かれてか鬼が物凄く多い。きっとあれは…地獄主催の《地獄巡りツアー》に参加してしまったからかもしれない。
(玖珂の頭…菊花さんは地獄に旅行したことありますよ)
そういえばそこで閻魔大王様とお酒飲んだ記憶が薄らと…。やっぱり、人生はハプニングで出来ているんですね。
こうも染々と感じている自分が一番おかしいと感じながら、等々移動時間になった。次は家庭科の調理実習かなにかだ。
「利枝ゴメーン…持ってもらっちゃって」
「ていうか何でそんな大事故なの?」
利枝は呆れたように私の荷物を持ってくれた。他の友達も「また悪者やって負けただけでしょう?」と茶化している辺り、誰にも真相を聞かないから助かった。
…まぁ、担任の先生には階段から落ちましたと言ったから。みんなには「階段から落ちた」とインプットされている。
ったく…例えこんなふうに落ちても、私ならちゃんと受け身とるつうっの。
「栄子かなり酷い風邪らしいよー?」
「ゲッ、マジで?大丈夫なの栄子?」
他の友人がこんな事を言うので、じわりと嫌な事を思い出してしまった。
と、家庭科室へ行くための通路に差し掛かった瞬間!
——ダンッ!
「あだっ!」
「…ったぁ…」