魑魅魍魎の菊
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『玖珂正影君!あたしと付き合って下さい!』
『あの……スンマセン、ゴメンナサイ』
『な、何で?!』
『いや…生理的に受け付けないんで』
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「あの一年…勿体ねえな、三年の雛先輩振るなんて」
「しかも振り台詞が"生理的に受け付けない"なんて、凄いシュール」
刑部君と植木君の会話然り。先ほど、私達は告白現場を目撃してしまったんです。
しかも…
《玖珂の若頭》がよりによって、同じ学校に居ただなんて聞いていないわよ。
そして、先ほどぶつかった「一年」だなんて信じられない…。ていうかスッピンがあんなに男前で格好良いだなんて聞いていないよ鴉丸!!
「お、おい…高村?腕、痛み出したのか?」
「大丈夫だよ植木君…。おぞましい光景を思い出しただけ、」
「何だよ?ハハッ、解った!正義の味方の事思い出したのかー?」
「そーよ、ソレソレ。ちょっと倒れた時の記憶が蘇って、ディスティニーが回想しまくりだっつうの」
私はアイスコーヒーを頼んで、精神を落ち着かせるのだ。
…ていうか、生理的に無理の理由が自分に解ってしまうから嫌なのだ。
彼女の背後にニヤニヤと笑っていた「背後霊」が居たから。