赤い筆箱
ここではこれが日常なんだと私は知った。他にはご飯を食べさせてくれないとか水を飲ませてくれないとか制限という虐待もあった。小母さんの機嫌一つで恐ろしい事が起こるのだ。

月に一度母がお金を払いにマンションへやって来た、でも私の目を見ることもなくお金を払ってすぐに出て行ってしまう・・・おかあさん・・・


おかさん、待って。この一言がいえなかった丸で他人のように感じたから・・・ハイヒールの音が去っていくのをただ聞いていた。


それからも虐待は続いた。
私は耐えることを学んだ・・・泣かない事震えない事、例え食べさせてもらえなくても何をされても泣かない事、そうする事で小母さんの気は他の子へ向いた。
ある日突然母は私を迎えにきた。
私が託児所で何をされていたのかなんて知る術もなく小母さんにお礼を言っていた。

やっと抜け出した虐待、やっと彼女と暮らせるという安堵。しかしそれもまた虐待の始まりであった。


連れて行かれた先は彼女の職場、オーナーの所だった。
街で一番高い高級マンションに住んでいたオーナー一見優しそうだがそれは商売柄の事だった。

 彼女がアフターで帰宅が遅いと私に暴力を振るった壁に大きな穴が空くほど投げ飛ばされたこともある。
彼女はそれを見ないふりをしていた、そんな彼女を私は不思議に思った
「なんで助けてくれないの?」ねえ、お母さん・・・
毎日同じことの繰り返し母はアフター、私は虐待を受ける
ある日、オーナーは私ではなく彼女に暴力を振るった・・・乱闘だったなんと表現していいのかわからない位壮絶な乱闘だった。
それがきっかけになり彼女と私は生まれ育った町に戻った。

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