赤い筆箱

出会い

私が信頼できるドクターと出会えてから数年・・・・先生は大きな体で真剣にカルテに目を通し時に「うぅーん」等と言いながら私に問いかけては最後の時必ずこう言うのだ  「桜さん必ず治ります、薄皮を一枚一枚捲る様な忍耐のいる作業ですが諦めず一緒に頑張りましょう」そして私は必ず「はい」と応える。
なにしろ精神科のドクターはただ薬をくれる人が比較的多い。カウンンセラー的要素を持ち合わせた先生のようなドクターに出会ったのも確か5~6人のドクターとのやりとりをしながら、「なぜ?」という疑問ばかりを増やし、それと比例して薬も強く、そして服用量も増えた頃・・・私は失礼ながらも先生に期待など無くしていた。
この人たちは症状を聞いて薬を出す。そんな感じの要するに風邪で内科にかかったような気分で居なければやりきれないものがあった、なにしろ心病んで通っていたのだから、たまたま土曜日にしか病院へいけない状況にあり、その理由としては一人では外に出られず主人の休みの日を待つしかないからだった。それが、きかっけで土曜日に新しい先生が増えたことをしり、なんとなくドクターの変更を申し出たら、やっと信頼できるドクターと出逢えた、そして先生の薦めで心理カウンセリンングを始めた。
これもまた、私が先生を信頼していたこと、そして治していく為に必要であることを一生懸命説明してくれた事で、私はカウンセリングを受けることにした。

症状の急激な悪化から早くも八年という月日が流れた。この八年間いろんなことが起きた
もしくは起こした。
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