甘い香り



ぐいっと、いきなりアスターに引かれる。



「わっ…何っ?」

「髪が肩につくくらい長くなっても…
 俺のそばに、いてくれよ?」

「―――ッッッ!!!!」



…もう、だめだった。

耳元で甘く囁く

アスターの低音ヴォイス。

…はい、鼻血吹き出しました。



「ティッシュ…ティッシュぅぅ…!!」

「またか…だが、紙なんていらないだろう?」

「へ……」



ちょ、イヤなよかーんっ!

上を向いたまま目だけアスターに向ける。

赤い舌がちろりと覗く。



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