甘い香り
3.
†魅惑のヴァンパイア
魔界に来て約2ヶ月。
あれから少しずつ、あたしの髪は伸び始めた。
それもこれも、アスターが髪が伸びる草だかいろいろ食べさせたからなんだけどね…。
そのおかげか、あたしの髪はギリギリ肩につくようになった。
そしてやって来た、この日―――…
「マミ様、さあ!」
「ちょっと、プリムラさん…?」
キラキラ大きな目を輝かせて
あたしを見上げるプリムラ。
その手には…真っ黒の、レースが重なったドレス。
あの日のドレスがやっと出来たんだ。