甘い香り
けどさ…やっぱ…ねぇ。
あたしにドレスなんか似合わないよ。
てわけでさっきから拒否ってるわけですよ!
「ご主人様が待っておられますわ、さあ!」
「うっ…」
アスターが待ってる…
そう言われて、数十分前のことを思い出した。
「マミ」
名前を呼ばれて振り返る。
今日のこの日が来たからか、いつもより空気が柔らかい。
…気もする。
「どうしたの?」
「ドレス、楽しみにしている」
「…しなくていいから」