甘い香り
―コツ…コツ…
高いヒールはやっぱり歩きにくくて
ゆっくりと、慎重に進む。
振り返ったアスターは…固まった。
「…アスター?」
「………」
あああぁ…やっぱりキモかったんだっ!
だからやだって言ったのにぃ!
短い髪は少しカールされて
顔には初めてしたメイク。
…部屋に帰りたい。
下を向いていたあたしは
アスターが近寄ってくるのに気付かなかった。
気付いたらあたしは、アスターの腕の中にいた。
「あ、アスター…!?」
「…綺麗だ、本当に」