甘い香り
「安心して下さいって!
あたしはアスターのこと―」
「―――マミっ!!!!」
「――ッ!?」
掴まれた肩
力任せに振り向かさせられて
アスターの怒った顔が、目に映る。
「どこに行ってたんだ!
俺のそばから離れるな!」
「ご、ごめんなさい…」
こんなに怒ってるとこなんて、アカシアのとき以来だ。
あれ、案外怒ってるじゃん。
「私が連れ出したのです、申し訳ありません」
「…以後気を付けろ。
行くぞ、マミ」
「あ…うん」
背中を押されて、中心に向かう。
途中で振り返って…ロメリアさんを、見た。
ぽつんと、1人佇むロメリアさん。
少し、頭がぼーっとしてきた。