甘い香り
†声なき声のマコト
ホールを抜けて、部屋に向かう。
腕を掴まれている感覚はあるけど
特に何も感じなかった。
ロメリアさんのあの表情
仄かに香るバラの香り
だんだん自分の意識がぼんやりしてきて
何にも考えられなくなる…。
「…マミ」
あたしの名前を呼ぶあなたは、だぁれ?
漆黒の髪に深い海のような
サファイアの瞳
見覚えのある部屋に入り
何か白いビンから液体を移す。
そしてあたしの顎に指を滑らせて
口に含んだ何かをあたしに口移しした。