甘い香り



「何!?言いたいことあんならさっさと言ってよ!!」



そう言いながらアカシアの胸ぐらを掴む。

これでもケンカ強いんだから!

絶対逃がさねぇ…。

その気持ちを込めて下から睨む。



「わ、わかった…話すから、この手離してっ」

「ふんっ」



少しシワが寄った胸元を直して深く座る。

あたしもその正面に座って、紅茶を飲みながら目で促した。



「えっと…マミちゃんはね、アスターの寵愛をうけてるんだ」

「ちょうあい…?」

「うん、もしかしたらアスターはずっと君をここに連れてくるつもりだったのかもしれない。
 だから嫁も貰わないんじゃないかって」



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