甘い香り



大抵の嘘は見抜けるのがあたしの特技。

顔色窺う生活してたからね…。

嘘吐くときは、どこか触ってたり気分が良かったりする。

あと瞳が一瞬泳いだり。

アスターは、瞳が一瞬泳いだ。

真実を言うべきか、嘘を言うべきか迷ってる感じ。

でもあたしが真剣って気付いたんだろう。

ため息を吐いて、口を開いた。



「アカシアから何か聞いたのか?」

「うん、まあね。
 でもずっと気になってたからさ」

「…そうか」



よっしゃ、これはあたしの作戦勝ちじゃない!?

話す気っぽいし!

やるときはやる子ですから!

基本やらない子だけどっ。



「何から話すべきか…」

「じゃあ質問する。
 あの日、あたしと会ったのは偶然じゃないの?」



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