甘い香り
ちっちゃい子に王位相続とかわかんないでしょ。
「冷めてたアスターにさ、その子がいったんだって」
「……」
「良い風に考えてたら良いことが起こるけど、悪い風に考えてたら悪いことしか起きないって」
………それって、
母さんがいつも言ってたことだ。
親父がちゃらんぽんなのに何で頑張れるの、って聞いたらそう返ってきたんだっけ。
母さんはいっつもポジティブで、全然怒らなくって
いつも笑ってた。
どうせ考えるんなら明るく考えたほうがいいって。
「なるようになるから放っとけばいい、って」
「もしかしてそれ…」
あたしかも、しれない。
誰かに言った気がするし。
2人が死んでからは信じなくなって言わなくなったけど。