甘い香り



あたしの後ろでロメリアさんが呟く。

何事かと、振り向いた。

ロメリアさんは驚いた顔で、ダンディーなおじ様を見ていた。

…?誰……??



「やあ、ロメリア。
 随分と綺麗になって」

「陛下……っ!
 お久しゅう、ございます」



へいか…?て、偉い人?

てか近くで見たらますますアスターに似てる。

アスターのお兄さんとかかな?

アスターは見た目20代前半くらいだし。

じっと、その人を見つめた。



「君は…?」

「…人に名前を尋ねるときは、自分から名乗るものですよ」

「マミ様…っ」



そう言うと、その人は目を真ん丸くして

吹き出した。



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