甘い香り



んー、やっぱあたしがおじさんの名前呼ぶのってダメなのかな。

ロメリアさん怒ってるし…。

……ま、いっか。



「ステファノティス…さん?」

「なんだい?」

「あの…」

「――マミっ!!!!」



思わず肩が上がった。

突然の大声に驚きながら、振り返った。

そこには出掛けていたはずのアスターがいた。

街を見てくるって行ってたのに…帰ってくるの早くない??

何かあったとか?



「アスター、おかえり!」

「ただいま…どうしてこの2人が?」



睨むように2人を見るアスター。

何かイライラしてる?

やっぱ街で何かあったのかな。



「3人でお茶しよーってなったんだ。
 アスターも入る?」

「俺はいい、マミは部屋に戻っていなさい」

「えーでも…」

「マミ」



強く名前を呼ばれる。

アスターのサファイアの瞳があたしを射抜く。

真剣な瞳なのに、どこか懇願しているようにも見えた。

てか……慣れたと思ったのにやっぱ無理だ!

イケメンになれるとか無理!



「はいぃ…」



2人にお辞儀をして、そそくさと部屋に向かう。

やっぱアスターってイケメンだなーなんて考えながら。







< 163 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop