甘い香り
ぎゅうっと強く抱き締められて身体が動かない。
切なそうな、今にも泣き出しそうな…そんな声。
「……っ、」
「……またか」
い、イケメンがそんな声出すなんて反則だ!
しかもこれまた悲しそうな顔してくるし…!
鼻血が出るのは仕方ないことだと思います…っ!
「…血、いいか?」
「うえ…汚いって」
「血は血だ」
それからまた、あの恥ずかしい行動。
鼻血止まっていいけどさ…!
汚いし恥ずかしいんですけど!
熱くなった顔は戻りそうにない。
だって…いつまで経ってもイケメンに慣れないんだもん。
「マミ…」
「…アスター」
熱っぽいアスターの声。