甘い香り
頭がふわふわしてくる。
「アスター…どうしてロメリアさんと結婚しないの?」
「――…」
「どうして?」
熱っぽかった目がいつもより冷たくなっていく。
あれ、聞いちゃいけないことだったかな?
でも気になるし…まあいっか。
「どうして?…あたしがいるから?」
あたしがいるからかもしれない、そうアカシアは言ってた。
ロメリアさんは美人さんだし、いい人そうなのに。
あたし、アスターの邪魔してるだけなのかな?
「…俺は、マミさえいてくれればいいんだ」
「…本当?けどあたし血あげたりとか…出来ないよ?」
アスターはあたしの血、飲んでくれないし。
飲むとしたら鼻血くらい?
うわ…嫌なこと思い出したし。