甘い香り



「アスター?」

「…ん?」

「もし好きな人が出来たらさ…あたしのことは気にしないで、結婚していいからね」



そこまでアスターのお荷物になるつもりはない。

いざとなったらあの家にだって帰るしね。

帰りたくないけどー。

まあしょうがないでしょ。



「……マミ?」

「んー何?」

「俺の気持ち…わかってくれたんじゃないのか?」

「うん、わかってるって。
 だから一緒にいるけど好きな人が出来たらその人と結婚してね」



そう言うとアスターは深い深いため息を吐いた。

え、何そのため息?

あたしなんか変なこと言ったっけ?

……うん、言ってない!


「アスター?どうかした?」



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