甘い香り
「なんと...っ!ロメリア様が...
それで、その...ロメリア様は?」
「あ、身の危険を感じたので伸してきました」
「伸す...?」
「あ、えっとぶん殴ってバラ園に突っ込んどきました」
あは、ローダンセの顔が引き攣ってるー。
まあ女子的ではないよね、うん。
「それで、避難ってどこへ?」
「ああ、そうでした...申し訳ございません。
香りは移り香程度なので
地下を通って離れの小城へ向かいます」
「はい...」
それからローダンセの後を追って地下を歩いた。
地下道は冷たく、ジメジメとした空気が漂う。
アスター...さっきまで、一緒にいたのに...。
あたし、どうなるのかな。
こんなことになるならさっき、
ちゃんと謝っておけばよかったな...。
さっき、抱き締めてもらったのに...
アスターの温もりは、どこかに消えていた。