甘い香り
もそもそとお手軽サンドウィッチを噛み砕く。
ローダンセはしばらくかかるかもってゆってたけど、
一体いつまであたしはここにいなきゃいけないんだろう。
このままじゃ退屈すぎて死んじゃう。
部屋にある本を読んで過ごすのもいいけど
今日はこの砦という名の塔の探検でもしますかなー。
まあこのキッチンと寝室しか部屋はないみたいだけど。
お皿を片付けて蛇口から直接水を飲んでみる。
気分はラプンツェル。
塔に閉じ込められるなんて、もともといた世界じゃあり得ない。
それから無駄に長い階段を登って、
とりあえずベッドで一休み。
誰もいないのは静かで寂しいけど
もともと一人で過ごしていたようなもの。
静かなのには慣れっこだ。
「なんか面白いものないかなー」
机の引き出しを開けてみる。
「...手紙?」