甘い香り
彼があたしの名を呼ぶだけで、身体が熱くなる。
あたし、どーしちゃったんだ…っ。
「俺のことはアスターでいい」
「…アスター、さま」
道で堂々と喋ってたのが懐かしい。
彼を照らす、光のせいだ。
だからこんなに可笑しくなる。
「アスターでいいと言っただろ」
「…アスター?」
不機嫌そうに眉を寄せるアスターが怖くてすぐに言い直した。
名前を呼べば眉間の皺が消えて、口が弧を描く。
…やべ、ちょー可愛い。