甘い香り
「君の血…全て飲み干したい」
―ゾク…ッ
この人、本気だ…。
逃げなきゃっ!
けど、そう思っても身体が動いてくれない。
血ぃ飲みすぎだろコイツ…!
人様の血勝手に飲みやがって!!!!
そんなこと考えてるうちに、唇が首筋に当たる。
やだ、やだ…っ。
本気で逃げなきゃ…!!!!
このままじゃあたしの血全部吸われちゃう!
「ゃっ…あす、」
「君がアイツに執着するのはね。
一度血を吸われたからだ。
血を吸われれば恋に落ちたような感覚に陥るからね」