甘い香り



「君の血…全て飲み干したい」



―ゾク…ッ

この人、本気だ…。

逃げなきゃっ!

けど、そう思っても身体が動いてくれない。

血ぃ飲みすぎだろコイツ…!

人様の血勝手に飲みやがって!!!!

そんなこと考えてるうちに、唇が首筋に当たる。

やだ、やだ…っ。

本気で逃げなきゃ…!!!!

このままじゃあたしの血全部吸われちゃう!



「ゃっ…あす、」

「君がアイツに執着するのはね。
 一度血を吸われたからだ。
 血を吸われれば恋に落ちたような感覚に陥るからね」



< 68 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop