甘い香り
「アスター…、」
「…どうした?」
「…ごめん、ね」
そう言えば立ち止まって、あたしを強く抱きしめた。
思い出すだけで震える身体。
…怖かった、な。
アスターのときはどうだったんだっけ…。
覚えてない、けど
さっきよりは怖くなかったな…。
エサって思われるのがこんなに怖かったなんて…
やっぱり、エサはやだ。
自分で決めたけど…。
食料って思われるのは悲しいよ。
ゆっくり、だけどしっかりと
アスターの背中に腕をまわした。