甘い香り



――彼女が幸せならば

  彼女が笑っているならば

  ただ、それだけでいいんだ。

  ただ、それだけで…

  特別にならなくてもいい。

  出来るならそばで

  その笑顔を見ていたいから…



―キィ…ッ

小さな音をたてて豪華なドアが開く。

そこには何も知らないプリムラがいた。



「マミ様、パティシエがこんなに沢山ご用意してくれました」



花のようにふわりと笑うプリムラ。

この気持ちが君に届けば…なんて、戯言だ。



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