☆★心風★☆
…私たちの番がきた。



『じゃあ行くよ、せーのっ!!』



先輩の掛け声で、私たちは走り出した。



――ダッ!


スタートは順調にいけた。


先輩と並んで走る自分に、少し舞い上がってしまった。



…これならいけるっ!



でも直線に入ったとき、急に先輩がスピードをあげた。



『あっ…』



どんどん離れる先輩と私の距離。



なんでっ…



なんで足が前に進まないの!?



ザワッ


走り終わって戻ってくる先輩たちと、同級生のざわめき声が聞こえる。



『なんであの2人、一緒に走ってるの?』



『先輩と走るなんて、馬鹿じゃないの?』


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