☆★心風★☆
でも私を見下ろしている鴻上くんの顔はやっぱり真顔で…さっきのは空耳だったのかな?って思ってしまう。



いつもは視線があうと逸らす鴻上くん。



だけど今は真っ直ぐに私を見つめている。



そんな鴻上くんもかっこよくて……



そしてそんな鴻上くんに抱きついている自分が、恥ずかしくなった。




「ごっっ…ごめん」



急いで鴻上くんから離れる私。



「…ねえ、それって俺のために泣いてくれてんの?」



真顔で問う彼を見つめ返すことができなくて、思わず逸らしてしまう。



でもそんなことを気にしてくれている鴻上くんが可愛くて…すこし意地悪したくなった。

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