☆★心風★☆
そう考えると、涙が止まらなくなった。



次々と溢れてくる涙を拭うのに精一杯な私は、教室のドアのところからある人物が覗いていることに、気付かなかった。



「…架村ぁー、何泣いてんの?」



突如、後ろから男の子の低い声が聞こえた。



え?わた…し??



その声には、聞き覚えがあった。



実花ちゃんと同時に、後ろのドアのほうへ視線を向けた。



するとそこに立っていたのは…。



「春河(ハルカワ)…」



実花ちゃんの少し掠れた声が、私の耳に響いた。


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