☆★心風★☆
弟は力強くそう言って、私を抱きしめている腕に力を入れた。



あれぇ…


なんで私


実の弟にこんなことされてんだろ……。



「和紀…?」



弟の名前を呼んでみるが、反応を示してくれない。



「なんでこんな可愛い姉ちゃんを泣かすんだろうな…。誰だかわかんねえけど、すげえ腹立つ!」



弟は私から身体を離し、「今日だけ俺の胸、貸してやるよ。だから好きなだけ泣け」と優しく耳元で囁いた。



その言葉を聞いた途端、私の中の何かがプツンと切れた。

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