☆★心風★☆
「そういうこと…」



俺は俯いて、力なく答えた。



「ふーん…。でもさ、まったく女に惚れたことのないアンタが、女に惚れたってのが意外だよねえ…」



「う…やっぱそこつっこんじゃう…?」



姉ちゃんはニヤッと笑った。



でも、本当のことだ。



俺はあいつが好き。



好きになったんだから仕方ない。



俺がぼーっと突っ立っていると、姉ちゃんが何やらゴソゴソと本棚をあさっていた。

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