☆★心風★☆
今日もまた、あのときと同じように、あの男子の一言で私の世界がかわったように感じた。



あのときと違うのは、私の想いだけだった。



あのときは私はあの男子のことが好きだった。



でも今は違う。好きでも嫌いでもない。



きっと、一年前言われた言葉があんな罵声ではなくて、今さっき言われた言葉だったら、私はどれだけ嬉しかっただろう。



でももう、あの人は過去の人。



忘れよう、あの人のことが好きな気持ちを…。



「内緒!ほら、教室戻ろ!」



私はまだ納得がいかないような顔をしてる実花ちゃんを連れて、教室に戻った。



戻るときにはもう、あの不良グループはいなかった。



でも、そのとき私は、なぜか残念な気持ちになった。



もしかしてそれは、鴻上くんがいないからだろうか…?

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