☆★心風★☆
「ねえ、誰?誰?」



「…マジでいないよ」



そう真剣な瞳で言ってしまったから、


「あ、そうなの」


って、実花ちゃんは信じてくれた。



ま、いいや!


その方が私にとってすごく助かることだから。



始業式から10日が経った。



私の夏休み明けの興奮した気持ちは、だいぶ落ち着いてきた。



でも、鴻上くんを見るとドキドキするのは相変わらずだ。



これだけはなおらない。



病名、“恋の病”だ。



1日でも…1時間でも…1分でも…1秒でも多く、鴻上くんを見ていたい。

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