キッズ・バトル~君と過ごした夏~
あたし達は、急いでタクシーに乗り込んで、病院へ行った。

受け付けを済ませ、順番を待つ。

その間も、沢田君はずっと幹太を抱っこしたままだった。

「ごめんね、陽介…バイトだったのに…。あたしのせいで」
「気にすんな。」

あたしに気を使わせまいとしてるのか、いつもの笑顔を見せてくれた。

「あたし、沢田君いなかったら、一人でパニクってたかも?
何か、情けないよ…何にも出来ないで。」

「んなもんじゃね?急な事だったしさ?まだ、母親じゃねえもん。
そのうち、肝っ玉強くなるよ。」

「有難う、陽介…」
涙が溢れた。


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