夏恋つづり
「莎矢…?」



私の大きな声に少し絋も戸惑った顔をしている。



「あ……何でもない…。私が悪いのに、絋に怒鳴っちゃって…どうかしてるよね。ごめん……。」



私はうつむいたまま、絋に謝った。



重たい空気が私たちの間を漂う。



「私……戻るね。みんな心配してるかもしれないから…。」



私は、うつむいたまま、果織の家へと走った。



絋の方には振り向かず、ただただ走っていた。




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