夏恋つづり
走りだした車の横を絋は途中まで一緒に走って手を振る。



私も窓から少し顔を出して、手を振った。



車のスピードが上がり、絋が追い付けなくなって立ち止まった後も、私は後ろのガラス越しに手を振った。


絋も私に負けないくらい大きく手を振ってくれていて、嬉しかった。



私は、絋が見えなくなるまで、ずっと手を振り、見えなくなった後もしばらく後ろを見続けていた。



絋…



出来るだけ早く会いに行くから、待っててね…。



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