littleHEART
「依音ちゃん、今の話ちゃんと聞いててくれた?」
いつの間にか琴ちゃんの顔が目の前にあった。
「ごめん。聞いてなかった。」
「もぉ、依音ちゃんに色々聞いて欲しかったのに。今日帰り櫂里と帰って来たんだけどね..............。」
それから一時間、琴ちゃんは私の部屋でずっとノロケ話をしていた。出会いは部活らしい。まぁ、琴ちゃんはサッカー部のマネージャーだし、可愛いから仕方ないんだろう。
私はベッドに倒れこむと唇を噛み、声がもれないようにそっと泣いた。
失恋の悲しさと何か分からない感情が胸を締め付けた。