あいらぼ《短編小説》
お母さんはそう言って、私の頭に手をまわし、引き寄せ撫でてくれた。
母のぬくもりを、初めて感じた気がした。
母の手のぬくもりは、優しさがたくさんこもっていた。
その母のぬくもりが、私に大切なものを気づかせてくれた。
――
そういえば、なんであの時、葵唯の居場所が分かったの?
「なんでって…貴教くんが教えてくれたの。
きっと、そこにいるはずだから、って。」
貴教が…そっかあ…。
貴教が…
なんか分かんないけど、私の心がドキドキしてた…。