ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
*君の声*
あたしの泣き叫ぶ声を聞き付けた看護師が、慌てて病室にやってきて、慌てて先生を呼びに行って、
皋の死が、確認された。
あたしはただ、ただ茫然と立ち尽くしていて、死の間際まで彼と話していたのに、彼の死を受けとめることが出来ずに居た。
色んな器材が彼の体から取り外されて、役目を終えたようにそこに置かれていた。
「優里ちゃん……」
泣き腫らしたあたしを気遣ったのか、看護師の一人が声を掛けてきた。
「彼は、きっと喜んでるわ」
「………え?」
そう言った彼女の目尻も、濡れていた。
「優里ちゃんと出会えてから、笑顔で居る時間が増えたの。また来年もひまわり見に行けたら良いな、って口癖みたいだったわ…」
「…………」
あたしは返す言葉が無かった。
「彼に生きる希望を与えたのは優里ちゃんだよ。ありがとう…………」
何であたしにお礼なんか言うの……?
言わなきゃいけないのは、あたしの方なのに………