ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜




玄関までフラフラと向かうと、そこに立っていたのは明奈だった。


彼女は、皋の死から立ち直って、今では学校にも行ってるし、普通の生活を送っている。


「痩せたね……」

「……うん…食べ物が、喉を通らなくて…」


顔を曇らせる明奈。

あたしは苦笑しようとしたが、笑えなかった。


「……もう、生きてても仕方ないかって…思うようになったんだ……。あたしの世界の中心は、皋だったから……」

「…………」


あたしの気持ちは、行き場を無くしている。


どうせなら、死んで皋と一緒の所に行けたら、どんなに楽だろう。


「…そんな事、あたしも皋君も望んでないよ」


まるであたしの心を読んだかのような明奈の言葉に、あたしは息を呑んだ。

明奈は手に提げていたカバンから、一枚のMDをあたしに差し出した。


「これ、パパから預かってきたの。皋君から、優里にって……」

「……あたしに?」


あたしはそれを受け取った。






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