ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜



一体何が入っているのだろう?


「大切な人を亡くした苦しみは、そう簡単に癒えるものじゃないから……だけど、これだけは約束して」


明奈はあたしの顔を真直ぐと見据えた。


「死のうだなんて、思わないで。誰も望んでなんかないから…」


そう言った彼女の顔がひどく切なくて、あたしは頷くことすら出来なかった。






明奈が帰ったあと、あたしは部屋でMDとにらめっこするように向かい合っていた。

皋からあたしに贈られたそれ。


一体、何のMDなのだろう…


あたしは取り敢えず、震える指を叱咤して、そのMDを再生した。


『カタン……カタン…』


雑音のような、ざわめきが入っている。


『……あれ?これもう録音してるんですか?』

『してるわよ』

『うわ〜、恥ずかしいな…』


それは、皋と看護師の会話だった。






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