ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
皋は続けた。
『優里にはいっぱい迷惑掛けちゃったけど、優里は楽しかった?もし俺の一方通行だったら笑えちゃうけど…でも、優里も笑ってたもん、楽しかったはずだよね』
「一方通行なんかじゃない…あたしも楽しかったよ…」
『やっぱり一番思い出に残ってるのは、向日葵畑かなぁ…あの窓辺のミニ向日葵、可愛いだろ?来年も行きたかったけど、どうだろうな?』
「……っ……」
あたしは唇を噛み締めた。
『明奈ちゃんも友達になって、本当に入院生活が楽しくなって…幸せだった…優里に出会ったあの日から、俺の世界は回りだしたんだよ。それって凄いことだよね!』
「あたしも、そうだよ…」
『優里が俺の希望だ。光なんだ。だから、優里』
MDの向こうで、鼻を啜る音がした。
『絶対、自分から死んでやるなんて、思わないで欲しい』